幼児教育の無償化
具体化に向けた国の方針
ゆんたく都島 Vol.30(2019.3)

幼児期は、能力開発、身体育成など生涯にわたる人格形成の基礎を培う極めて大切な時期です。この時期における家庭での役割とともに、幼児教育・保育の役割が重要です。

幼保連携型認定こども園都島児童センターが竣工1周年を迎え、当法人が、平成26年12月に、当時の下村博文文部科学大臣をお迎えした講演会で、幼児教育の大切さを力説されました。

大臣は「教育の中で、もっとも成果や効果が上がるのは3歳・4歳・5歳の幼児教育である。幼児のうちにきちんとした教育をすることが大きく社会に貢献することに繋がる。今まで以上に、保育園・幼稚園・認定こども園に対する支援を積極的に、そして手厚くすること、これは一人ひとりの子どもたちやその家庭の問題だけではなく、社会を活性化していくために、大変重要である。」

そして幼児教育の質の向上とともに無償化については、「段階的に、まず5歳児を対象に年収360万円以下の家庭の子どもの無償化を始める。そして2020年までに、全ての保育園・幼稚園・認定こども園の3歳・4歳・5歳児の子どもたちの負担を無償にして、安心して子どもを預けられるようにしたい。」と述べられました。

その後、国は平成26年度から毎年、幼児教育の無償化を段階的に実施してきました。

幼児教育の無償化は、教育費への支援を求める子育て世代への負担軽減を図る重要な少子化対策の一つでもあり、また質の高い幼児教育の機会を保障するためにも重要です。このため昨年12月、幼児教育の無償化を加速する方針が定められ、現在、具体的な実施に向け国会に「子ども・子育て支援法改正法案」が提出されています。

国の無償化制度

2019年10月からの実施

各自治体では、無償化の取組みが進められていますが、大阪市では平成28年度から5歳児、平成29年度から4歳児を対象に、幼保連携型認定こども園の保育料(教育時間)を無料、保育園については世帯の所得等に応じ教育費相当額(約50%)を無料としています。来年度から3歳児が対象となる予定です。

●3歳~5歳までの子どもたちの利用料を無償化

食材料費は従来通り保護者が負担

国の方針に示されている概要の中から、当法人の幼保連携型認定こども園・保育園に関連する事項を説明します。

国の制度では、2019年10月から、当法人の各園を利用する3歳から5歳までの全ての利用料が無償化されます。しかし、これまで保護者から実費で徴収されている費用(日用品・文具等、行事参加費用、食材料費)については無償化の対象外となっています。

食材料費(副食費)はこれまでも基本的に実費徴収または保育料の一部として、保護者にご負担いただいており、10月からの取扱いは次のとおりとなります。

現在、幼保連携型認定こども園の1号認定の子どもは主食費・副食費とも実費徴収、幼保連携型認定こども園・保育園の2号認定の子ども(3歳~5歳)は、主食費は実費徴収、副食費は保護者負担として保育料の中に含まれて徴収されています。10月からの無償化に伴い、1号・2号認定とも主食費・副食費は各園からの徴収となります。なお、年収360万円未満の世帯の副食費は免除となります。

●0歳~2歳は

0歳~2歳の子どもたちの利用料については、住民税非課税世帯を対象として無償化となります。なお主食費・副食費については、現行の取扱となり変更はありません。

●就学前の障がい児の発達支援

こども発達サポートステーションそれいゆの、発達支援を利用する3歳~5歳の子どもたちの利用料が無償化されます。また、幼保連携型認定こども園・保育園と両方を利用する場合、双方とも無償化の対象となります。

なお、0歳~2歳児の住民税非課税世帯は、既に無償となっております。

幼児教育の無償化に伴い、2019年4月からの取扱、10月からのそれぞれ具体的な取扱については、関係機関からの通知等詳細がわかり次第、各園からお知らせすることにしております。

 

平成30年度から

処遇改善手当Ⅱを支給

幼保連携型認定こども園・保育園に勤務する全ての職員に、処遇改善等加算Ⅰの給付費により、毎月、定額の処遇改善手当Ⅰを支給していますが、平成30年度から処遇改善手当Ⅱの支給を開始しました。

この処遇改善手当Ⅱは、保育の技能・経験を積み、各園のリーダー的な役割を果たしている職員が対象となり、処遇改善等加算Ⅱの給付費から支給されます。

処遇改善等加算Ⅱは、各園の利用定員、平成30年度各月平均の年齢別児童数及び各種加算の適用状況により、園毎に加算対象人数の基礎となる職員数が算定されます。これをもとに、副主任など中堅職員の人数、職務分野別の若手リーダーなどの人数が算定され、各園に加算される給付費総額が定まるのです。

各園では、職員の皆さんの経験や園での役割などを踏まえ、平成30年度の支給の対象となる職員の皆さんを指定したところです。そして中堅職員である副主任保育士・専門リーダー等の職員に月額4万円を支給するとともに、概ね3年以上の職員に対し、経験年数・技能に応じて、月額1万円~3万5千円支給することとしました。

あわせて支給対象者には、より資質の向上及び能力の向上のため、法人の研修センターが実施したキャリアアップ研修を受講していただいたところです。

このように処遇改善手当Ⅱは、毎年度の給付額をもとに支給されるもので、年度ごとに各園の支給の対象となる職員及び人数、手当の額は変更することがあります。

法令と業務(ルールと仕事)
~私たちが遵守すべきもの~
ゆんたく都島 Vol.29(2018.9)

私たちの社会福祉法人都島友の会は、社会福祉法人の根拠法である「社会福祉法」の規定に基づき運営されています。

昨年4月に改正社会福祉法が施行されましたが、新しい定款・定款細則に沿い、当法人は、議決機関である「評議員会」、業務執行の決定機関である「理事会」、法人の業務監査及び会計監査を行う「監事」のもと、決定された各施設の事業が進められています

また定款細則に基づいて、責任の明確化と業務処理の円滑化を図るため、理事長、常務理事、施設長等の「職務権限規程」が定められました。理事長は法人を代表し業務を執行するとともに、日常業務として理事会が定める専決事項を執行しています

社会福祉法人は「社会福祉法人会計基準」に従い、会計処理を行うことが義務づけられています。経理事務は本部事務局が統括していますが、当法人では、この基準に沿い適切な経理事務を行うとともに、支払資金の収支の状況、経営成績及び財政状態を適正に把握するため「経理規程」を定めています。改正社会福祉法及び新定款の内容を踏まえ、規程を改正しましたが、現在、13章80カ条からなる重要な規程となっています。

このように、法人の業務を進めていくにあたっては、様々な法律・省令などに準拠して当法人の規則・規程が定められています。新たな法令の制定や改正、事業の追加等があれば、法人の定款・規程等も理事会の承認を得て改正されることになります。最近の改正を見てみましょう。

就業規則の一部改正

職員の皆さんの就業に関する事項を定めた「就業規則」がありますが、育児・介護休業法の改正を受け、平成29年10月と本年4月に就業規則・パートタイマー就業規則・育児休業規程・介護休業規程を一部改正しました。

 

主なものとして、介護休業の分割取得が可能になったほか、介護休暇が半日単位で取得できます。また最長2歳まで育児休業の再延長が可能となったほか、子の看護休暇が半日単位で取得できることとなりました。

また労働契約法の改正に伴い、有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合に、申込により無期労働契約への転換されるため、パートタイマー就業規則の改正と無期転換職員就業規則を定めました。

就業規則はこの他、当法人顧問の社会保険労務士の意見をもとに、採用・休職、服務規律、懲戒等の各条項について改正追加を行いました。

 

新しい規程の整備

●虐待防止対応規程

法人各施設において、虐待防止に関するマニュアルの作成と職員への周知徹底など、利用者に対する虐待の未然防止に取り組んでいますが、新たに法人として、児童及び高齢者、障がい者に対する虐待を防止し、安全で快適な生活を送れるよう、「虐待防止対応規程」を制定しました。

虐待の種類、虐待の未然防止のため各施設長・職員が取組むこと、虐待防止委員会の設置、虐待若しくは虐待が疑われる場合の通報と事実関係の調査・判断・対応、虐待と判断した時の原因究明と再発防止策の検討、関係機関報告などの対応を定めています。

●法令等遵守に関する規程

幼保連携型認定こども園・保育所の設置者である当法人では、「子ども子育て支援法」に基づき、法令遵守責任者を選任しています。

  

さらに、法人の事業が適正に行うための基本指針、組織体制の整備、各施設長・施設長の責務を定めた「法令等遵守に関する規程」を制定しました。

●内部通報に関する規程

法人の業務運営に関する違法又は不正な行為の早期発見及び是正を図り、もって法令等遵守した業務運営の強化に資すること目的として、内部通報制度を設けました

規程では、内部通報の対象となる事項、通報窓口と方法、事実関係の調査と是正・再発防止措置のほか、通報者の保護及び責務等を定めています。

●定款の一部改正

都島桜宮保育園の増築に伴う資産の増加、公益事業として、本年5月から開始した「保育士等キャリアアップ研修事業の経営」を追加しました。

各施設の法令等

法人各施設の設置・運営にあたっても、それぞれ根拠となる法律や政省令、国からの通知等に基づいて行われています。

例えば、児童福祉施設である保育園については、児童福祉法、子ども子育て支援法及び規則・政省令、設備及び運営に関するに基準等が定められています。そして各施設では、運営規程、保育所保育指針に沿って事業が進められているのです。

幼保連携型認定こども園は、学校及び児童福祉施設ですので、児童福祉法の他、学校教育法も適用されることになります。また運営には教育・保育要領があります。

このように法人のすべて事業は、法令等に基づくとともに、評議員会・理事会で決議された事業計画や意思決定に沿って進められているのです。

法令等は、時代の要請に応じて今後も改正されます。職員の皆さんも、私たちの社会福祉法人、日常の仕事の位置付けと展開、そしてその元となるルールについて、今一度考えてみることが大切です。