節目の年に

桜の下、子どもたちと遊ぶ園長

025年6月23日、沖縄の住民を巻き込んだ凄惨な地上戦から80年のこの日、当時を偲んで犠牲になられた人々を悼む【慰霊の日】が営まれました。私事ですが、夫は遺族の子どもでした。父の顔も知らないまま育ち80歳で亡くなりました。

義父は、軍属として、船、乗組員、多くの兵隊さん、生活物資等の輸送を命じられて南方へ行ったのですが、家族関係者には一切知らされず、ある日突然「船が米軍によって沈没させられた」だけの報告。生死はわからない、遺骨もないまま、今年で80年になります。今では糸満市の平和記念公園にある 【平和の礎】に名前が刻まれています。10年前に主人とその地を訪れ刻まれた碑の前に花をたむけ、手を合わせてきました。

世界各国、どこの国であっても戦争はあってはなりません。私にとっても6月23日は平和の大切さを考える【節目の年】でした。

戦争について考える中で、当法人都島友の会の、創設者・比嘉正子から引き継いでいる【スローガン】を改めて考えてみますと、

一、花には、おひさま

一、子どもに、平和

一、つよい子、よい子はケンカをしない

●「花には、おひさま」とは、

生命宿し、育ちいくすべてのものに自然環境、物的環境、人的環境、心理的環境が影響します。人間は自然環境の生態系を変化させながら文化を営んでいますが、安全、安心な質の高い環境が子どもたちには必要です。

●「子どもに、平和」とは、

日本の国には、すばらしい児童憲章があります。子どもの権利と尊厳、人権尊重、健康と安全を確保し、生涯にわたる人格形成の基礎を培うため、大人が守るべきものです。 学びや生活の基盤、体験の機会や自然とのふれあいは子どもたちにとってとても重要です。戦争や暴力で社会が乱れない、安らかで穏やかな不公平のない社会が必要です。

自然(花)にも、子どもたちにも、その生命を守るのは、私たち大人が作り上げる社会(環境)です。

●「つよい子、よい子はケンカをしない」とは、

みんなが笑顔になるため、悪口を言ったり、人の嫌がることをしない。人のものを取らない、いじめをしない、相手の立場を考える。

このスローガンをよくよく考えてみると、大人にも子どもにも、全てに当てはまります。

国同士の戦争は何故起こるのか?

民族、宗教、資源、領土、政治権力など、色々な要因で紛争へ発展していると思いますが、私はそのひとつに「他人のもの取る、盗む」ことが要因では、と考えます。子どもたちにも「お人のものを取りません、取るとケンカになりますよ」と常々言っています。

今起きている戦争も、1つの要因は領土の取り合いであり、そこで犠牲になの子どもたちであり、住民であり、全ての生命です。早くおさまらないものかと心痛の思いです。

6月23日、沖縄【慰霊の日】への思いと、当法人都島友の会のスローガンを改めてまとめてみました。

2025.9