幼児教育の無償化

具体化に向けた国の方針

幼児期は、能力開発、身体育成など生涯にわたる人格形成の基礎を培う極めて大切な時期です。この時期における家庭での役割とともに、幼児教育・保育の役割が重要です。

幼保連携型認定こども園都島児童センターが竣工1周年を迎え、当法人が、平成26年12月に、当時の下村博文文部科学大臣をお迎えした講演会で、幼児教育の大切さを力説されました。

大臣は「教育の中で、もっとも成果や効果が上がるのは3歳・4歳・5歳の幼児教育である。幼児のうちにきちんとした教育をすることが大きく社会に貢献することに繋がる。今まで以上に、保育園・幼稚園・認定こども園に対する支援を積極的に、そして手厚くすること、これは一人ひとりの子どもたちやその家庭の問題だけではなく、社会を活性化していくために、大変重要である。」

そして幼児教育の質の向上とともに無償化については、「段階的に、まず5歳児を対象に年収360万円以下の家庭の子どもの無償化を始める。そして2020年までに、全ての保育園・幼稚園・認定こども園の3歳・4歳・5歳児の子どもたちの負担を無償にして、安心して子どもを預けられるようにしたい。」と述べられました。

その後、国は平成26年度から毎年、幼児教育の無償化を段階的に実施してきました。

幼児教育の無償化は、教育費への支援を求める子育て世代への負担軽減を図る重要な少子化対策の一つでもあり、また質の高い幼児教育の機会を保障するためにも重要です。このため昨年12月、幼児教育の無償化を加速する方針が定められ、現在、具体的な実施に向け国会に「子ども・子育て支援法改正法案」が提出されています。

国の無償化制度

2019年10月からの実施

各自治体では、無償化の取組みが進められていますが、大阪市では平成28年度から5歳児、平成29年度から4歳児を対象に、幼保連携型認定こども園の保育料(教育時間)を無料、保育園については世帯の所得等に応じ教育費相当額(約50%)を無料としています。来年度から3歳児が対象となる予定です。

●3歳~5歳までの子どもたちの利用料を無償化

食材料費は従来通り保護者が負担

国の方針に示されている概要の中から、当法人の幼保連携型認定こども園・保育園に関連する事項を説明します。

国の制度では、2019年10月から、当法人の各園を利用する3歳から5歳までの全ての利用料が無償化されます。しかし、これまで保護者から実費で徴収されている費用(日用品・文具等、行事参加費用、食材料費)については無償化の対象外となっています。

食材料費(副食費)はこれまでも基本的に実費徴収または保育料の一部として、保護者にご負担いただいており、10月からの取扱いは次のとおりとなります。

現在、幼保連携型認定こども園の1号認定の子どもは主食費・副食費とも実費徴収、幼保連携型認定こども園・保育園の2号認定の子ども(3歳~5歳)は、主食費は実費徴収、副食費は保護者負担として保育料の中に含まれて徴収されています。10月からの無償化に伴い、1号・2号認定とも主食費・副食費は各園からの徴収となります。なお、年収360万円未満の世帯の副食費は免除となります。

●0歳~2歳は

0歳~2歳の子どもたちの利用料については、住民税非課税世帯を対象として無償化となります。なお主食費・副食費については、現行の取扱となり変更はありません。

●就学前の障がい児の発達支援

こども発達サポートステーションそれいゆの、発達支援を利用する3歳~5歳の子どもたちの利用料が無償化されます。また、幼保連携型認定こども園・保育園と両方を利用する場合、双方とも無償化の対象となります。

なお、0歳~2歳児の住民税非課税世帯は、既に無償となっております。

幼児教育の無償化に伴い、2019年4月からの取扱、10月からのそれぞれ具体的な取扱については、関係機関からの通知等詳細がわかり次第、各園からお知らせすることにしております。 

平成30年度から

処遇改善手当Ⅱを支給

幼保連携型認定こども園・保育園に勤務する全ての職員に、処遇改善等加算Ⅰの給付費により、毎月、定額の処遇改善手当Ⅰを支給していますが、平成30年度から処遇改善手当Ⅱの支給を開始しました。

この処遇改善手当Ⅱは、保育の技能・経験を積み、各園のリーダー的な役割を果たしている職員が対象となり、処遇改善等加算Ⅱの給付費から支給されます。

処遇改善等加算Ⅱは、各園の利用定員、平成30年度各月平均の年齢別児童数及び各種加算の適用状況により、園毎に加算対象人数の基礎となる職員数が算定されます。これをもとに、副主任など中堅職員の人数、職務分野別の若手リーダーなどの人数が算定され、各園に加算される給付費総額が定まるのです。

各園では、職員の皆さんの経験や園での役割などを踏まえ、平成30年度の支給の対象となる職員の皆さんを指定したところです。そして中堅職員である副主任保育士・専門リーダー等の職員に月額4万円を支給するとともに、概ね3年以上の職員に対し、経験年数・技能に応じて、月額1万円~3万5千円支給することとしました。

あわせて支給対象者には、より資質の向上及び能力の向上のため、法人の研修センターが実施したキャリアアップ研修を受講していただいたところです。

このように処遇改善手当Ⅱは、毎年度の給付額をもとに支給されるもので、年度ごとに各園の支給の対象となる職員及び人数、手当の額は変更することがあります。

ゆんたく都島 Vol.30(2019.3)