ごあいさつ
2021年、社会福祉法人都島友の会は、創立90周年を迎える事ができました。1931年創設以来、地域の皆様をはじめ、関係各位、そして多くの皆様に支えられ今日に至りましたこと、心から感謝申し上げます。
社会福祉法人都島友の会の創設者、比嘉正子は1905年沖縄県首里で生まれ、17歳の時、首里パプテスト教会において洗礼を受け、その後、大阪パプテスト女子神学校(現ミード社会館)に留学、以降、社会福祉事業家、消費者運動のリーダー、婦人活動家として、戦前、戦中、戦後を波乱万丈の生涯とともに駆け抜けました。
彼女が生涯かけて蒔いた福祉の種は、戦前・戦後、そして今日に至るまで、先輩職員、ボランティアの皆様、さらに地域関係者や行政の皆様のお力添えにより、大阪市に9ケ園の認定こども園と保育園、沖縄に2ケ園の保育園、さらに児童発達支援センター、放課後施設(児童館)、そして高齢者の方々の特別養護老人ホームひまわりの郷とデイサービスステーション友渕、訪問介護ひいぐるまと、地域にしっかりと根を張りながら多くの福祉の枝葉を育み、成長し、今日の姿にまで成長するに至りました。
私の尊敬する故小川居先生は、「荒野をコツコツと耕し、砂地をたゆまなく肥し、一粒一粒心をこめて丁寧に蒔いた種が、神様の祝福を受けて、すくすくと芽を育て、木々が多くの枝を伸ばし、荒れ地から泉が湧き、河が流れ、鳥がさえずり、人の憩う場へと変わった。」と古代イスラエルの予言者イザヤの言葉を引かれ、そこから、「都島友の会も、大阪の地、そして沖縄の地に、福祉の種を蒔き、福祉の先達者として、荒野へと前進をしていく様を、創設者は今もきちんと見守って下さっています」とのお言葉を頂戴いたしました。
我が国は現在、公的債務や財政問題、高齢化と社会保障などと共に、少子化対策が喫緊の課題となり、一方、貧困、虐待、孤立死、DV被害、引きこもり等、様々な難題が山積みされ、既存の社会保障や社会福祉制度では対応しきれない状態になっております。私どもはこのような国難の時代をおいても、比嘉正子が生涯の夢とした福祉の目標、「ゆりかごから墓場まで」を、職員一丸となって引き継ぎ、「福祉はすべての人が健康で文化的かつ快適な生活が守られ、豊かな人間生活が実現できることを内包するものでなければならない。」との福祉の理想に向かってさらに研鑽に努め、つねに初心に還ることを怠らず、時代の流れに沿い、我々の役割をしかと確保し、次代へとつないでいく覚悟です。どうか今後とも倍旧のご支援御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
法人の基本理念
社会福祉法人都島友の会は、多様な福祉サービスを総合的に提供できるよう創意工夫し、利用者の個人の尊厳を保持しながら、子どもたちの心身ともに健やかな育成と、個人が持っている能力に応じ、自立した日常生活を地域社会において営むことができるよう支援することを基本理念とする。
法人の経営理念
- 地域福祉の拠点として寄与貢献
- 人として尊ばれ、個人の尊厳に配慮した、良質かつ安心安全なサービス提供
- 明るい透明な施設経営と運営
- 眺めて楽しい、丹誠込めた施設は全て総合芸術
- 人材育成、適切な人事、労務管理の実践
都島友の会のあゆみ
1931年(昭和6年) | 都島に青空保育園を開設し、新築の園舎の提供を受け、「北都学園」と改称 |
1931年(昭和7年) | 「私立都島幼稚園」に改称 |
1934年(昭和9年) | 都島幼稚園認可 |
1941年(昭和16年) | 設立10周年を迎える 戦時色が濃くなり、集団退避訓練が取り入れられる |
1946年(昭和21年) | 都島本通土地探し |
1947年(昭和22年) | すずめのお宿建設 |
1949年(昭和24年) | 都島児童館を設立 |
1950年(昭和25年) | 財団法人都島友の会認可。都島保育園が園児50名で保育開始 |
1951年(昭和26年) | 20周年記念 |
1952年(昭和27年) | 財団法人都島友の会から、社会福祉法人都島友の会に変更 |
1960年(昭和35年) | 都島乳児所開設(都島病院の一部)生後4カ月~3歳児の35名が入所 |
1961年(昭和36年) | 30周年記念 障がい児保育開始 |
1966年(昭和41年) | 都島乳児保育センター開設(90名が入所)とともに収益事業の賃貸住宅あやなす荘開設 |
1972年(昭和47年) | 40周年記念都島児童館・保育所新築し、都島児童センターに(定員170名) |
1973年(昭和48年) | 福祉ビルに都島第二乳児保育センター開設(60名入所) |
1974年(昭和49年) | 沖縄県那覇市首里金城町に渡保育園開設(乳幼児150名) |
1976年(昭和51年) | 大阪市より経営委託を受け、都島東保育園(定員120名)・都島こども園(障がい児30名) |
1981年(昭和56年) | 50周年記念 |
1982年(昭和57年) | 沖縄県那覇市松島に松島保育園開設 |
1983年(昭和58年) | 都島友渕保育園開設(定員90名) |
1984年(昭和59年) | 比嘉賀盛理事死去 |
1988年(昭和63年) | 延長保育開始 |
1991年(平成3年) | 都島桜宮保育園開設。都島保育所・乳児保育センター・第二乳児保育センター:延長保育開始 |
1992年(平成4年) | 比嘉正子理事長死去 |
1993年(平成5年) | 60周年記念 |
1998年(平成10年) | のびのび地域子育て支援センター |
1999年(平成11年) | 友渕地域在宅サービスステーションひまわり開設 |
2001年(平成13年) | 都島友渕乳児保育センター開設(定員30名) |
2002年(平成14年) | 特別養護老人ホームひまわりの郷開設(定員80名) |
2003年(平成15年) | 70周年記念 |
2006年(平成18年) | 渡保育園建替 |
2009年(平成21年) | 松島保育園(みわらび館) 乳児保育拡大・特別保育 |
2010年(平成22年) | 成育保育園(城東区)開設 |
2011年(平成23年) | 80周年記念式典 |
2011年(平成23年) | ひまわりネット設立 |
2011年(平成23年) | ひまわりⅡ開設 |
2013年(平成25年) | 都島児童センター建替え |
2013年(平成25年) | ひまわりネット移転、比嘉正子地域貢献事業センター「ひまわりネット」にリニューアル |
2014年(平成26年) | 都島児童デイサービス それいゆ 開設 |
2015年(平成27年) | 都島児童センター、都島友渕保育園、成育保育園が幼保連携型認定こども園に移行 |
2016年(平成28年) | 都島こども園、大阪市から運営移管され、名称を「こども発達サポートステーション それいゆ」に変更 |
2017年(平成29年) | 都島桜宮保育園分園開設。児童デイサービスせいいく開設 |
2018年(平成30年) | 都島桜宮保育園増築改修工事完成 |
2019年(平成31年) | 都島桜宮保育園が、幼保連携型認定こども園桜宮児童センターに移行 |
2019年(令和元年) | 都島東保育園・こども発達サポートステーションそれいゆ新園舎完成 |
2020年(令和2年) | ひがみや児童センター(都島東保育園名称変更) 訪問介護ひーぐるま事業開始 都島乳児保育センター新園舎完成 |
2021年(令和3年) | 創立90周年 ひがみや児童センターが、幼保連携型認定こども園に移行 |
2022年(令和4年) | 創立90周年記念式典 |
運営組織図
法人内施設間連携
関連団体との連携
CSR活動とコンプライアンス
私たちは社会福祉法人としての責務としてCSR活動に取り組み、地域社会に向けて行う法人の活動について責任を持ち、あらゆるステークホルダー(利害関係:利用者、家族、地域、職員)からのニーズに対して適切に意思決定し、地域になくてはならない存在になるよう努めています。
また地域の社会福祉に貢献することを使命として、地域の信頼に応えられる法人となるべく、コンプライアンス(法令や社会規範等の遵守)の徹底を最優先課題として認識し、すべての活動の基本に置いています。
広報活動
都島友の会はこの10年、広報活動にも力を入れてきました。私たちが日々どのような活動をしているか、地域や社会の中でどのような役割を果たしているのか、そしてどのような理念を掲げて活動しているのかを法人内外に発信することで、広く社会や内外の人々と価値を共有し、より良い関係を作っていきたいと考えています。
そのためのツールとして、各園が毎月発行している「園だより」、法人の広報誌「ゆんたく都島」、さらには近年、各施設では施設ごとのホームページを制作し、職員たちが自らの活動や施設の様子を積極的にブログや動画として発信しています。