暑気払いの集い あいさつ

平成26年7月18日

梅雨も明け本格的な夏の到来です。温暖化の影響でしょうか、近年の日本の夏はとにかく暑い、今年も祇園祭、天神祭、土用が過ぎて、一層暑くなっています。

日々のお仕事、お疲れ様です。いつも申しますが、くれぐれもお体には気をつけて下さい。

今年度は、大変な手術をされた方、精神的なことで体調を崩された方、産休、育休と休暇に入られた方々、さまざまおられましたが、現在は皆さん、元気に復帰されています。(よかった!よかった!)と思っているところへ、当法人の元役員、職員のご家族と、大変お世話になった方々の訃報に接し、驚きや悲しみがありました。全員で、心から哀悼の意を表しましょう。

さて、私の日課は、各園からのメール、そして各園のホームページを見ることから始まります。各園で何があったのか、楽しい事だったり、笑えたり、心配したり、時には「う~ん…」と考え込んだりしてしまいますが、皆さん大変ご苦労されている様子がよくわかります。いろいろな事がありますが、過ぎてしまえば、「あんな事…こんな事…ありましたよネ­ー」と懐かしい思い出となると共に、一つ一つのことが将来へ向けての良い経験になってほしいと願っています。時に難しい事もありましょうが、何事も丁寧に根気よく対応して頂けるとうれしいです。本当にご苦労様ですが、なにとぞよろしくお願いします。

前回も少しお話ししましたが、近年、社会福祉事業に対しての社会の目は厳しく、最近では朝日新聞が社会福祉法人について、一連のシリーズ記事として大きく取り上げました。その記事内容の偏向・偏見はひどいものだと私は思います。しかし社会福祉事業界が今、大きく揺らぎ、激しくうねっていることは事実です。

私たち都島友の会は地域の皆様に支えられて83年、ご一緒に、同じ歩調で歩んでいるつもりでおりましたが、この9月には、都島区内、桜宮高校と「デイサービスゆめ」さんの近くに、定員100名もの高齢者施設ができるそうです。定員100名という事は、登録者は200~300名という事になるでしょう。その施設では食事もバイキング方式で、夜遅くまで利用でき、もちろん年中無休、さらに要支援の方々が働けたり、さまざまに工夫がなされるようです。またサービス内容も多彩に豊かに取り揃えられているとか…、オープン前から早くもいろんな声が聞こえてきます。

さらに、私たち法人の「友渕地域デイサービスひまわり」の東隣にあるスーパージャパンの南駐車場には、旭区の法人「ゆう&あい」さんが有料老人ホームを建設中です。これは土地、建物を賃借し、それを入所者利用料に上手に含み入れるなど、経営としてなかなかしたたかにしっかりと考えられたものらしいです。このように他の法人や施設がどんどん新しい企画や旺盛な事業欲で、私たちに近づいてきています。

保育界におきましても、大阪市はもとより、都島区内におきましてもどんどん新たな流れが生じ、変化の兆しが起こっています。時代の趨勢なのでしょうか。

都島区内で、次々と株式会社の保育園が参入してきました。

  • 「アスクうちんだい保育園」。都島区内代町1-48-1(地下鉄谷町線 野江内代)定員70名の保育所です。経営母体は日本保育サービス㈱。全国で保育所を200ケ園を所有しています。東京23区だけでも60ケ園を所有・運営している企業です。
  • 「トレッジャーキッズともぶち」。都島区友渕町、磯じまん㈱西側に出来ます。定員80名。経営は㈱セリオ。人材派遣事業から保育事業、学童事業を手がけています。
  • 「ぜんげんじさくらさく保育園」。都島区善源寺、定員70名です。経営母体は、㈱ブロッサム。保育園開業コンサルティングや保育業界参入企業に向けての相談事業などもしています。大阪市、豊中市、東京に計9ケ園を経営しています。
  • 都島区中野町5丁目に小規模保育園。定員19名。経営は、ローバルビシッジ㈱。生野区巽3丁目にも保育所を所有、経営しています。

社会福祉法人でも、治栄会(からまつ苑)さんが都島北通2丁目に定員80名の保育園を、同じ都島北通2丁目には大阪婦人ホーム(コロバ保育園)さんが小規模保育園、定員19名を予定されています。

「企業(株式会社)は営利。赤字を出してまで続けませんヨ。すぐに撤退します。」と言われますが、都島に進出してきた株式会社はそんなに甘くはない、なかなかに手ごわいと私は思います。

大阪市は、待機児解消という事で、現在、後先を考えず、どんどん建てている訳ですが、都島区内の待機児については、これまで私たちは大変努力をして来たと自負しておりました。現在も法人各園、建物の許す範囲で最大限入所していただいています。ただ隣接の区(北区、旭区、城東区)から100名近くも入所され、区内の児童が入所できないということになっています。これは都島区役所が入所決定をしてしまうため、都島区内の児童数、他区の児童数の流動性を把握できず、単独でカウントするばかりで、逆に都島区内の児童が他区の保育所に流れている入所数を知らせてくれません。俯瞰的な視点での本当の実態がよく分からない、つかめていないのだと思います。

また新設業者決定については、大阪市役所こども課担当の意見も大きいようです。都島区内に土地を確保したら、簡単に「認可が出される」と囁かれて、都島に設置したと、私自身、ある企業の方から直接話を聞いた事があります。担当者の行き過ぎたスタンドプレーといいますか、いわば個人の思い込み、勘違いから、将来の都島区の保育に大きな禍根を残すことにならないかと怖れます。その時その時の数合わせです。今は大企業跡地に次々とマンションが建っていますが、一方では定員割れの区が出てきています。急激な日本の少子化、その進行のただ中で、バランスシートをしっかり考えた上で、中長期的な視野、オール大阪での待機児解消の方策がほしいと願うばかりです。

さて来年度、平成27年4月より内閣府認定の「認定こども園」が出発です。

政府は、基本指針、基本理念、保育緊急確保事業、対策事業、要綱等を検討し、保育緊急確保事業として各自治体において準備組織を設置し始めました。既存の幼稚園、保育所からの移行については義務づけはしていません。各施設が自主的に考えなさいという事です。大阪市等は、「認定こども園」について、各区役所の担当者がいまだ何をどう始めてよいか、正確には決められず、戸惑っているのが現状です。

しかし大阪市や各区役所の体制がどうであれ、私たちは今も昔も変わることなく、子どもたち一人ひとりの成長をしっかりと見つめ、日々、それぞれの成育に即した丁寧で質の高い保育や教育を行い、法人全体としては、地域の待機児の解消に向けて、あるいは地域の保育支援や子育て支援に尽力することに何の変りもありません。

誇りと矜持をもって申し上げれば、今回の「認定こども園」をはじめ、「子ども、子育て支援新制度」の遥か以前から、私たち都島友の会は“質の高い幼児期の教育や保育の提供”を行ってきましたし、“地域の子ども・子育て支援”に注力し、邁進してきたと自負しています。さらに法人創設者の理念、法人創設の原点そのものが、今回の制度変更の目的や理念に先行したものであることを、私は再度、強く皆さんの胸に留めてほしいと思います。制度や時代の変化などに怖れることなく、むしろ私たち法人が、国や時代をリードしてきたとの自負をもって、様々な問題を一つ一つ真剣に考え、子ども達にとって、人として生きていくためには何が大切であるか、しっかりと考え取り組んでいただきたいと思います。時代の変化や制度の変更、その影響を一番受けるのは何よりも子ども達自身なのですから。今一度、本当に子どもたちにとって私たちは何をなすべきか、皆で考えてみましょう。私たち都島友の会の真の実力が問われていると思います。

私のおしゃべりも時間の都合があるようです。そろそろ予定の時間が来ました。

来年度からの認定こども園については、まだまだ話したりないこともあると思いますので、私が直接各園に出向き、皆さんとひざを突き合わせ、話合いたいと思っています。

今日は、大変暑いです。さあ、しっかり食べて、飲んで、暑気払いを楽しみましょう!

2014.8.18