法人本部の役割 この10年

社会福祉法人都島友の会の運営は、理事長が法人を代表して、理事会の意思決定に基づき業務を執行するとともに、日常的な業務を専決しています。そして、法人全体や児童施設、高齢者施設などの業務を、計画的に進行管理する部署として、理事長のもと、法人本部事務局を設置しています。

本部事務局では、経営課題や事業運営上の課題についての情報を収集・分析し、理事会・評議員会に諮る経営企画に関する業務と、各施設の経理・給与・社会保険事務などを集約処理する総務事務を行っています。定款や諸規程を遵守し、適正な業務執行に努めるとともに、安定的な財務基盤の確立、透明性の高い財務管理など、本部業務を推進しています。

この10年間は、国における少子化対策の総合的な推進をはじめ、医療・福祉サービス改革が進展する中で、福祉関連の法改正が相次ぎました。本部事務局は社会福祉法改正に伴う新定款や関連する規程整備とともに、新制度の実施にあたり、各施設と準備や事業調整を推進しました。

【法・制度改正】

平成24年4月に、障害者自立支援法及び児童福祉法が改正され、都島こども園が、知的障がい児通園施設から児童発達支援センターとなり、第二種社会福祉事業に位置付けられたため、定款を一部変更しました。

平成24年8月、子ども・子育て支援法が公布、平成27年4月に子ども・子育て関連3法が施行され、「子ども・子育て支援新制度」がスタート。都島児童センター、友渕児童センター(都島友渕保育園)、成育児童センター(成育保育園)が幼保連携型認定こども園として移行、その他は、新制度での保育所として再出発しました。移行のため、本部事務局は関係先との協議をはじめ、申請・定款変更など、各園とともに約1年半にわたり準備を進めました。

なお増築・改修工事を終えた桜宮児童センター(都島桜宮保育園)は平成31年4月、建替新築工事が完了したひがみや児童センター(都島東保育園)は令和3年4月に、幼保連携型認定こども園へ移行しました。 

平成27年4月の介護保険法の改正により、特別養護老人ホーム「ひまわりの郷」の新規入居者は、要介護3以上の高齢者に限定されることとなりました。

また社会福祉法人全体の財務状況を明らかにするとともに、経営分析に対応、また情報公開に資するため、国において、新たに社会福祉法人会計基準が定められました。本部事務局は、説明会参加、経理規程整備、情報公開などの準備を進め、平成27年4月から、新会計基準による経理事務へ移行しました。また平成29年度から、現況報告書、計算書類、定款・役員名簿、報酬等の支給の基準などを公表しています。

令和元年10月には、3歳以上の幼児教育・保育料が無償化となりました。

●新しいガバナンス体制がスタート

社会福祉法人制度改革が進められ、平成29年4月1日に、経営組織のガバナンスの強化などを主な内容とする「改正社会福祉法」が施行されました。

経営組織として、議決機関としての評議員会が必置となり、業務執行機関としての理事会、業務執行の監査を行う監事が位置付けられました。また理事・監事の義務と責任が、法律上規定されました。

本部事務局は、改正に伴う新定款及び関連する、職務権限規程、役員報酬規程、旅費規則、評議員選任・解任委員会規則などの規程の整備と改正など準備を進めました。新定款は、平成29年2月6日付で大阪府より認可。

この新定款に基づく評議員選任・解任委員会を3月15日に開催し、平成29年4月1日に就任する新評議員8名を選任。また6月16日に評議員会が開催され、新役員(理事7名・監事2名)が選任され、改正法に基づく新しいガバナンス体制がスタートしました。

令和元年6月には評議員1名を選任し9名に、また法人創立90周年を迎え、業務執行体制の充実のため、理事1名増員し8名となりました。

新定款のもと、評議員会は、事業計画及び収支予算、計算書類及び財産目録の承認ほか報告のため、また理事会は、業務執行の決定にあたり臨機応変に開催され、都島友の会の適正・円滑な運営に尽力しています。

建替新築・大規模修繕

法人の各施設は、建物・設備が経年劣化による建替や環境向上のための改修工事が必要となり、90周年に向け順次、実施しました。

  • 都島児童センター(都島保育所)
    • 平成24年7月に旧園舎の解体に着手、平成25年9月に新園舎が完成。平成25年9月1日付で都島児童センターと名称変更。
  • 桜宮児童センター(都島桜宮保育園)
    • 平成29年1月1日に分園を整備・開園。本園の増築・改修工事は、平成29年7月に着手し、翌年3月に増築改修が完成。
  • ひがみや児童センター(都島東保育園)及びこども発達サポートステーションそれいゆ
    • 平成28年4月1日に、大阪市から都島東保育園(複合施設)の建物を有償により取得。
    • 平成30年11月に建替工事に着手、令和元年12月に両施設の新園舎が竣工。都島東保育園は令和2年1月1日、ひがみや児童センターに名称変更し業務を開始。
  • 都島乳児保育センター
    • 平成30年7月に建替用地取得。令和元年8月に建替新築工事着手、令和2年4月竣工。
  • 都島第二乳児保育センター
    • 令和元年度に外壁等の改修、玄関前リニューアル工事、保育室等内部改修工事。令和2年度に厨房改修・会議室等を整備。
  • 友渕児童センター
    • 平成24年12月に増改築工事。平成26年度に幼保連携型認定こども園移行に向け屋外階段を設置。平成30年4月~6月に、建物全体のリフレッシュ工事。
  • 都島友渕乳児保育センター
    • 平成30年度に厨房改修工事を実施。
  • 特別養護老人ホームひまわりの郷
    • 平成28年度、環境省補助金を活用し空調設備を更新。平成29年度に大浴場の供用を廃止し特殊浴槽を設置。平成30年度には施設改修と地域交流の場カフェテリアひまわりを設置。
  • デイサービスひまわり
    • 平成28年度に大規模リニューアルし、利用スペースを拡大。
  • 比嘉正子地域貢献事業研修センター
    • 戦後70周年の平成27年8月、比嘉正子資料室を整備。

2021.9.13 本部事務局長 寄瀬博光