令和4年度研修報告

【児童施設】

質の高い教育・保育を目指して

児童施設や高齢者施設におけるサービスが年々多様化し、支援のあり方も複雑になってきました。

こうした状況に対応して、都島友の会では研修センターとともに各施設で、職員の資質や技能向上のため、毎年、研修計画たて様々な研修を実施しています。令和4年度の研修内容について報告します。

比嘉正子地域貢献事業研修センターの研修

法人職員の研修施設として、平成25年9月に研修センターを開設しました。研修センターでは、センター研修室だけでなく、各施設でも研修を実施しています。

■アウトリーチ型研修

保健衛生の分野では、法人の看護師チームが講師となり、各児童施設で全職員を対象に、ケガや誤飲の対応、SIDS、熱性けいれん、アレルギー、心肺蘇生などについての研修を実施。研修センターでは、専門講師により、管理職・リーダーを対象に職員の意識改革と人材育成、また新人職員~3年目を対象に保育実践などの講義を実施。延べ465人が受講し、自らの資質向上に向けた取組みを学びました。

■保育士等キャリアアップ研修

子どもや子育てを取巻く環境が変化し、保育教諭・保育士にはより高度な専門性が求められています。スキル向上のため、研修センターでは、大阪府の指定を受け、平成30年度から、保育士等キャリアアップ研修を実施しています。

平成4年度もコロナ禍ではありましたが、乳児保育・幼児保育・障がい児保育・食育・保健衛生・保護者支援及び子育て支援・マネジメントの7分野(1分野15時間)に、充実した講師陣をお迎えして開催。5年目となった令和4年度の研修受講者は、法人職員(100名)だけでなく、外部(62名)からも受講され、分野ごとに計154名が修了されました。

法人内研修 ー 各施設での研修

コロナ禍での採用ということもあり、児童施設では特に新人職員研修を充実しました。各施設では、看護師が中心となり新型コロナウイルス感染症について勉強会を重ね、対策を講じたところです。

保健衛生研修として、アレルギー、エビペンの取扱、AED・心肺蘇生、ケガの応急措置、嘔吐処理、熱中症、熱性けいれんなどについて学ぶとともに、実践・グループ討論を通して理解を深めました。

実技研修では、外部講師が保育士に体育活動での補助方法を指導。また施設のリーダー職員が講師となり、合奏法などの音楽研修、描き方など絵画研修が実施されました。

危機管理として、東日本大震災のDVDを視聴し、災害時に保育士が取るべき行動について共に考えました。この他、事故防止の研修や不法侵入者の対処法などについて、都島警察署防犯研修をお願いしました。

各施設では、自園の保育の質の向上に、令和5年度も研修の充実に努めています。

外部研修の受講

都島友の会では、法人内研修のほか、研修テーマに応じて、大阪府社会福祉協議会保育部会、全国社会福祉法人経営者協議会、日本保育協会大阪支部、日本保育保健協議会など関係団体が主催する研修に、職員を参加させるとともに、他の法人職員との交流を深めています。

大阪府社会福祉協議会保育部会が実施する地域貢献支援員(スマイルサポーター)養成研修には、毎年、各園から職員を参加させた結果、すべての園にスマイルサポーターが配置されています。

【高齢者施設】

利用者に安全・安心の暮らしを提供

特別養護老人ホームひまわりの郷は、常時介護を必要とし、かつ居宅で介護を受けることが困難な高齢者90名が生活されています。

入居者の令和4年度の平均年齢は88・7歳、平均介護度は4・16で、年々高くなってきています。

利用者の皆さんに、日々の「安心・安全の暮らし」を提供していくため、介護職員のスキルアップに努めています。ひまわりの郷では事故防止・入浴・給食・設備衛生・腰痛予防・防災・看取り介護など11の検討委員会、また褥瘡(じゅくそう)・感染症・喀痰吸引等安全・虐待防止・ヒヤリハットなど8の対策委員会を中心に、内部研修を実施し、職員の知識と技術の向上を図っています。

法人内研修 ー 施設での研修

施設では各委員会が担当となり、デイサービスひまわりの職員を含む高齢者施設の全職員を対象に、内部研修を実施しました。研修項目は新型コロナ予防対策と対処方法、ノロウィルスの対応、摂食・嚥下障害の方の食事介助、拘縮の方のオムツ交換、ヒヤリハットから未然防止策の検討、終末期における家族と介護者のケア、入浴時のプライバシー、排せつ介助、不適切なケアとは、褥瘡防止など25項目にわたり、課題解決と自立した職員の育成に努めたところです。

外部研修の受講

令和4年度は、コロナ禍でオンラインなどの研修となりましたが、職種に応じて、大阪市老人福祉施設連盟が主催する認知症ケアなど、外部の研修にも参加し、施設内業務に繋げています。

■介護職員初任者研修 ー 人材確保

ひまわりの郷では、介護職員の自前養成として、令和4年度に介護職員初任者研修を開講しました。6名が修了し、内1名が正規職員としてひまわりの郷に採用。5名は、非常勤職員として勤務しています。

令和5年度は、施設職員の社会福祉士資格取得を促進するため、実務者研修を開催することとしています。